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日本のがん医療について質問 大和市会議員 石田ゆたか

  • 執筆者の写真: Yutaka Ishida
    Yutaka Ishida
  • 2016年8月16日
  • 読了時間: 5分

6月議会後のレポートがやっとこさ完成しました。

石田ゆたかレポートPDF https://files.acrobat.com/a/preview/4eec75d6-1d5b-4fa2-9541-4e9ef55581a0

今回のテーマは、ずばり「がん医療」です。

いまや、がんは日本人の死因1位を長年独占し続けてて、3人に1人はがんで亡くなってます。そこに使われる医療費も莫大で年々増えてて、国家予算の半分を占める医療費の多くをがん医療が占めています。がん医療は、がんになった人の問題ではなく、保険料を支払うすべての人の経済の問題だし、がん患者やその家族らを含めた人の生き方の問題です。超高齢化社会が進む中、日本の死活問題ともいえる問題じゃないかと思います。6月の議会で質問をしました。

 大和市は市立病院を持っている事もあって、いつか踏み込んで質問をしようと考えていたんですが、平成27年度末。つまり今年の3月に市立病院で、がん患者が激増して抗がん剤や手術の材料を買うお金が足りなくなって予算の追加を市に求め、大和市がこれを専決処分で認めるという事がありました。このこと自体を責めるわけじゃないんですが、追加した金額が5600万円超とめっちゃ高額なこと。その原因が芸能人が、がんになったニュースを受けて、かねてから国県市が推進していた健康診断キャンペーンとの相乗効果である事。こういった経緯に違和感を覚え詳しく調べて質問することにしました。

 レポートで掲載したのは、がん検診と抗がん剤ばく露の問題、代替医療、予防医療の推進についてです。レポートのPDFのリンクも貼りますけど、今回は、がん検診についてレポートに書ききれなかったことの補足とか、感じたことなんかを書きたいと思います。

 がん検診の質問は今年の1月に発表された、がん検診を受けても全体としての死亡率は変わらないことを示したショッキングな論文と2004年に発表されたレントゲンやCTが1万人のがん患者を作っているという論文。この2つを軸に市に質問をしました。2つの論文についてザックリ書きます。

がん検診が死亡数を減らさないってどういうこと??

 がん検診が死亡数を減らさない。普通に考えて意味が分かりませんよね。この論文は今年の1月に英国医師会雑誌に掲載されたもので、どういうことかというとがん検診のメリットである「早期発見・早期治療」で救われる命と同じくらい、がん検診には寿命を縮めるリスクがあるということです。

にわかには信じがたいですよね。そのリスクは大きく分けると「偽陰性」、「偽陽性」と「過剰診断」の3つです。

 「偽陰性」とは、がんがあるにもかかわらず、正しく診断がされないことです。

 「偽陽性」とは、がんがないにもかかわらず、がんがあるかもしれないと診断され精密検査が必要と判断されることです。 がん検診を受けて陽性と出る確率は10%と言われ、陽性が本物のがんである確率は1%と言われます。つまり1000人中、1人のがんを見つける為に999人ががんかもしれないと言われ不必要な精神的ストレスを受け、不必要な検査により後に触れる「医療被ばく」などの身体的ダメージを受け寿命を縮めるリスクを指します。

 「過剰診断」とは、結果的にがんではないものをがんと宣告する事で精神的ダメージを与え、不必要ながん治療の副作用によって生活の質を下げ、寿命を縮めるリスクを指します。

大きく分けて、これら3つの要素により、がん検診を受けても全体の死亡率は下がらないという統計をこの論文は莫大なデータで示しています。

 また、先ほど「医療被ばく」について少し触れましたが、日本では医療被ばくによって年間1万人近く(全がんの4.4%、CT検査を含む)が、がんになると2004年、英国の医学雑誌The Lancetに発表した論文に示されています。検診を受けて利益を受けられるのは、本当のがん患者のみです。がん検診をうける多くの人が医療被ばくのリスクのみを受けてしまいます。無作為にいきなりレントゲンなどのX線検査を受けさせるのではなく、血液検査や細胞診(がん化していると思われる細胞を摂取しての検査)、超音波、MRIなどを一次検査にすることが必要です。

 今回紹介した論文から率直に思うのは、ただ闇雲にがん検診の受診率をあげようと「早期発見・早期治療」とメリットだけを打ち出して行政単位でがん検診を推進するのは現段階では明らかにおかしいと私は思います。

行政は、がんを見つける事に躍起になって、がん検診を推進するよりも、がんにならない為の予防にお金をかけて推進するべきです。

あとがき

 今や医療費は国家予算の約半分の40兆円。とんでもない数字です。

そのうちがん医療にかかる金額はかなりの割合を占めます。高齢化社会が進むにつれてこの負担は肥大化し、今以上に社会保障を切り取っていくことが簡単に予想ができます。

 単純に、病気やけがにばかりお金が使われているこの国はおかしい。そのくせ、農薬、添加物は世界一、派遣会社の数も世界一、生産性のない人は切り捨てにされるから、みんなお給料安くても長い時間働いてる。だからいっぱい作って、安く売るのが得意な大企業の安くて、早いモノやサービスばかりが蔓延する。それでみんな体を壊して医療のお世話になってる。不妊治療をうける女性も年々増加。また子どもつくるどころか恋愛もできない若者急増中。こんなルーティーンは、おかしい。もう、この感じいい加減、変えたいんです。

 知れば変えれる。食べ物、ライフスタイル、ハッピーな予防、働く以外の時間を充実させる方法。お金の回し方、多様性のある仕事、カラフルな暮らし方、みんなで新しいルーティンを作っていきたい。アイディアはあるんだ。政治はその手段のひとつなんです。

ちゃんと、あるとこからとって、ないとこに回せばお金は回る。その意思決定をできない都合のひとが多数派になっちゃってるから問題なだけ。

 笑って、語って、騒いで、繋がる。想いは一つ、1%の政治から99%の政治にシフトさせたい。ちょうど良くしたいんです。過度な勝ち組もいらないし、死んじゃうくらいの負け組もいらない。がんばらなくても生きられる社会、誰も犠牲にしない経済、みんなで作っていきましょう!気づいた人から声上げましょう。力を貸して下さい。


 
 
 

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